ネットで検索したら、この裁判を担当する弁護士・作花知志さんのブログ「新しい夫婦別姓訴訟」があって、日本人が外国人と結婚した場合は同姓か別姓を選べるのに、日本人同士だと結婚したら同姓しか選べないという視点で訴えていくとのことです。
ベルギーは夫婦別姓ですが、どんな制度になっているのかベルギー政府の2つのサイトを紹介します。
ベルギー外務・対外貿易・開発協力省
「結婚は名前に影響を与えるの?(Le mariage a-t-il une influence sur mon nom ?)」
という設問に対して、下のような説明をしています。
ベルギーの法律では、結婚が姓に何らの影響を与えません。婚前の姓を維持します。ただし、ベルギーに加えて他のEU加盟国の国籍も有している場合はその規則は変わってくることがあります。詳しくはベルギー法務省氏名変更課にお問い合わせください。
フランスにあるベルギー大使館・領事館
「配偶者の名前(Nom de l'époux/l'épouse)」では、フランスとの違いも盛り込みながらベルギー事情を紹介していますので、最初の部分をざっくりと訳してみました。フランスでは既婚女性や未亡人は、私的な時だけでなく社会的職業的生活で夫の姓を使います。例えば、雇用主や銀行、また旅行のチケット購入の時などがあります。ベルギーでは、法的に認められた唯一の名前は、出生証明書に記載された氏名です。つまり、フランスの既婚女性や未亡人にとっての「旧姓」です。(中略)申請によって、パスポートの4ページ目に夫の姓を追記することが可能です(身分証明書に追加はできません)。男性の配偶者も希望すれば、妻の姓を追記できます。ベルギー当局から発出される書類を確実に受け取るために、出生時の姓も郵便受けや玄関ベル付近に明示しておくことを考慮しましょう。
つまり、ベルギーの場合、、、
つまり、ベルギーの場合、生まれた時の姓名が基本で、結婚と改姓は別物で、氏名を変更したい場合は変更手続きをしてねというスタンスのようです。
ベルギーの日常生活において、姓よりも名(下の名前)に優先度があり、姓や家系に対する愛着・アイデンティティは日本ほどない印象があります。
子供の学校だと、子供やその親の苗字は敢えて聞いてみない限り不明なままで過ごせます。大学ゼミで出欠を取ったとき、下の名前を呼んでみて、期待した反応(一人が返事をする)がなかったときに姓を足して言い直していました。
加え、ベルギー連邦政府は2014年6月から子の姓決定に関する(親の)男女平等の改革を実施し、(1)父の姓、(2)母の姓、(3)父の姓+母の姓、(4)母の姓+父の姓、の中から選べるようになりました。(ベルギー法務省ウェブサイトUn an et demi après la profonde réforme du double nom(複数姓への改革から1年半を経て), 16/12/2015 11:29版を参照)
夫婦別姓が日本でも開始されたら、子供の姓をどうするのかという点も考えなければなりませんね。
私自身、若い頃結婚願望は無かったのですが、結局外国人の伴侶を見つけ姓を変えずにいます。自分の姓名(本名)は日本では程よい長さ・稀さで、ヨーロッパではそれほど難しくないので気に入っているし、改姓関連手続きが無かったのも面倒くさがりな私にとってはプラスでした。
そのため、外国人と結婚した日本人に姓を選ぶ権利はあるという点ではそうだなと思います。日本人同士の結婚では同姓しか選べないという戸籍法の切り口が違憲なのかどうか、合憲の理由はどんなものかも知ることができるわけですから、夫婦別姓裁判の経過には個人的に関心ありです。