大学1年の授業(3)一般・社会心理学で習ったこと

 なぜか心理学だけ週3時間で、前半は一般心理学、後半は社会心理学で別々の先生が教えていました。


一般心理学
 
 一般心理学では、行動心理学、認知心理学、システミック、精神分析、精神病理学を取り上げました。
・行動心理学:パブロフの犬、Y字型の通路のネズミ実験、床に電流を流して動物の行動を見る実験、子どもの観察などなど、実験で可視化できる心理行動を扱います。見えない部分はブラックボックスと言ってあまり取り扱わないです。(日本語Wikipedia
・認知心理学:ちょっとだけでした。感覚運動・投影期stade sensori-motoriceとノートに書いて、赤ちゃんは紐を引っ張ったらオルゴールがなることを知っているという例えが出ていました。
・システミック:家族療法で、父・夫、母・妻、兄(弟)・息子、姉(妹)・娘 という家族の役割の枠があって、その枠の境界線の浸透度(家族で固まりすぎる、家族バラバラ)、枠の一つが消えた時(単身赴任など家族の一人が何らかの理由で家にいない時)には他のアクターがその枠の穴埋めをしようとすることが見られます。
・精神分析:フロイトやラカンの心理学です。自由連想法、無意識、ヒステリー、エディップスコンプレックスなどなど、インターネットにもたくさんありそうな中身でした。
・精神病理学:統合失調症schizophrénie、妄想症paranoïa、(統合失調症が)妄想型のparanoïde, 破瓜(はか)病のhébéphrénique, など、医者や患者でもなければご縁のない単語が並び、授業を聞いている間は意味不明でした。

  先生のシラバスのまとめかたと、実際の授業の時間の割き方が全然違くて、聞いててわかりにくかったです。
 それと、精神分析部分は、無意識とか自我とか、哲学にも通じる気がしてちんぷんかんぷんでした。
試験は、若者の問題などの社会現象関連の記事を読んで、精神分析から2つ、システミック、行動心理学から各1つの項目を使って説明しなさいというのが大きな設問でした。
最初の試験は日程的に心理学を準備する時間がなくて、落ちに行きました。追試も半日準備して、ダメ元だったのですが、数行上に書いた「大きな設問」がなくて、だいぶ簡単になった感じです。一般心理学の試験の50%を占める記述問題を空欄にしたので不合格覚悟でしたが、知っていることを書いてみました。

社会心理学

学生の学習支援相談センターの責任者で、一度「授業厳し~い(泣)」と相談に行ったときに同席しアドバイスしてくれた先生でした。
社会心理学の授業は、授業に即したシラバス、パワポがあって、タイプミスは散見されましたが概ね先生の準備はよかったです。
最後の章はシラバスにはないもので、パワポのみでした。テレビ番組でも取り上げるような心理学のような感じがしました。社会心理学はいろんな実験によって検証され、ロジックな雰囲気を醸し出し、哲学的な意味不明さはなかったのですが、覚える単語が多くて時間が少なく覚えきれませんでした。

習った項目は6章分です
1 社会心理学とは
2 知覚とは:「自我soi」とは何か? ←自我、自尊心、自制心など、「soi」を使う語彙が目白押し
3 態度と社会的影響:態度とはattitudeのこと。フランス語のattitudeとcomportementはどちらも「態度」と訳して間違いないのですが、この2つの単語は別の意味をなしているということを理解するのが大変でした。attitudeは心のが変わることであり必ずしも目に見える行動が伴うわけではありません、comportementは行動に出る態度です。
4 人間関係:魅力とは何か? 美しいという人はどんな特徴なのか? 親密な関係に至るステップとは?
5 グループ間関係:グループとは何か? まとまりの度合い 他人が要ることで個人にどんな効果があるか? グループ内での意思決定 リーダーシップ グループのカテゴリ化 ステレオタイプ・偏見・差別 
6 社会表象:表象representationsという単語は社会学でしょっちゅう使います。心理学者のモスコヴィッチは、savoir naïf(素朴の知)の形を持つと説明しています。意訳かもしれませんが世間のとある社会(グループ)に対する、主観的で大衆が持つイメージです。「○○(例:失業)に対してこうこうこういう人たち(例:就活中の学生、失業者、男性、日本人)が抱くイメージ」とするとわかりやすいです。表象とはどう作られるか? 素朴な考え方とは何か? 社会表象をどうやって分析するか?

追試では、魅力の決定要因は何かという問題が出ました。なんとなく覚えているのですが、すべてではなく、その場で考えたことをかなり含めて記入しました。一応埋めてはみたけれども・・・。という気持ちです。

二つの心理学、赤点でも合格措置を使って合格!

一般心理学と社会心理学は、テストが先生別に2つあり計3時間でした。それぞれの先生の試験で合格点の50%を超えなければなりません。一般心理学の追試で落ちるのが確実だったので、社会心理学でカバーしてぇ~と祈るように、そして半ばあきらめもありながら結果を待ったら、35%とれました。2017年9月9日のブログ「大学1年生の結果」でも説明しましたが、全体の平均点が一定以上だと、1科目が35%以上の赤点でも合格扱いという素晴らしい制度のおかげで救われました。