第二次世界大戦からの国際関係について、英語で習いました。 こういう授業は英語の方が楽ですね。略称(NATO、EUとか)は日本でも習ったり使ったりして自然にわかります。それに、先生は若いフランス語系の先生で、必ず2回表現を変えて説明してくれたし、フランス語訛りの英語で、ある程度型にはまった言い回しが多く理解しやすかったです。パワーポイントと先生の話だけで、シラバスはありませんでした。
先生は授業以外に関心がある人だけ参加可能なディベートを何度か企画していました。関心はとてもあったのですが、参加には事前に関連記事・論文を読まなきゃならなくて、普段の授業であっぷあっぷの私には余裕がないという理由で参加しませんでした。
地政学と小便小僧は直接関係ありません |
試験は口頭で行われました。先生のアシスタントとは授業で習ったことについて2問答えて、先生の前ではちょっとした応用問題を出すというものでした。質問が書いてある紙が伏せてあって、学生が3つ選び、15分くらい下書き用紙に準備して答えます。私は、(1)ポーランドの革命、(2)戦後のドイツ分割統治、そして応用問題として(3)オバマ大統領の選挙演説で多極化体制とマルチラテラリズムを述べたことについての問題でした。
応用問題は、先生と問答して行くとどんどん設問から離れて行きました。途中、国連軍が関与した欧州以外の事象は何かと聞かれ、朝鮮戦争(マッカーサーが国連軍トップとして戦っていましたが、ほとんど米軍で占められていたと習いました。)と、スエズ危機(国連で議論した結果国連軍は出動しなかったけど、他のネタが尽きてとっさに出てきました。)と答えました。
数日にわたって口頭試験があるので、質問内容がFacebook上で出回りました。
フランス語がメインの大学での英語の授業なので、英語はとにかく通じればいいので、試験勉強は日本語で理解して、キーワードの最低限の英単語を覚える形で乗り切れました。
授業の構成は下のとおりです。
1 第二次世界大戦とその遺産
イデオロギーの対立、独ソ不可侵条約、戦後体制交渉(ヤルタ会談、ポツダム会談)、終戦(戦争裁判)
2 冷戦の始まりとその変遷
ヨーロッパの衰退(植民地の独立)
原爆の影響
冷戦の起源
ヨーロッパ復興(トルーマンドクトリン、マーシャルプラン)
3 ヨーロッパでの冷戦
ドイツ(4カ国で分割統治、ベルリン封鎖)
ヨーロッパ統合プロセス(シューマン宣言、ECSC、EEC)
ギリシャ(トルーマンドクトリン対象国となり、米の軍事経済支援を受ける)
トルコ(対戦中中立国、ソ連のボスポラス海峡共同統制という圧力、マーシャルプラン裨益国)
ポーランド(エリート内で反ソ・反共産)
ハンガリー(1956年ソ連介入)
チェコスロバキア(1948年プラハ動乱、1968年プラハの春)
ユーゴスラビア(チトーの政治、ソビエト介入リスクに備えNATO加盟せずに支援受ける、ベオグラード宣言で衛星国とソ連の対等な関係を擁立)
フランス(スエズ危機、第五共和政で大統領権限強化、ド・ゴール大統領の外交、1963年エリゼ条約)
4 アジアの戦後
中国(国民党と共産党の内戦、国民党台湾へ、共産党国家樹立、1970年代初め中華民国政府国連脱退し中華人民共和国が国連常任理事国へ、中ソ関係悪化、文化大革命、ピンポン外交)
バンドン会議(第三勢力)
朝鮮戦争(南での民主的選挙に北が応じす、中国支援の北の攻撃に国連軍支援の南が応戦、興亡、停戦)
中国・北朝鮮関係(比較的最近の情勢。中国が北を経済支援、中国への北の流入、北の核開発で近年中国が制裁に賛成している、金正恩との二国間公式協議まだ)
日本(終戦、マッカーサーと昭和天皇の写真、植民地解放、日本の民主化・アメリカ化、朝鮮戦争の影響、サンフランシスコ講和条約、経済成長、尖閣諸島問題、南京大虐殺)
インドシナ情勢(フランス中心の第一次インドシナ戦争、アメリカ中心の第二次インドシナ戦争、ドミノ理論)
5 キューバ危機からデタントへ
デタント(1962~1975)
キューバ危機以降の米外交政策
ニクソン大統領とデタント
冷戦終結とゴルバチョフ
6 冷戦の終わり
1989年の東欧革命
ベルリンの壁崩壊、ドイツ統一
ソビエトの崩壊
冷戦終結と米国
冷戦終結と西ヨーロッパ
1980年代のヨーロッパ経済成長
冷戦後の新秩序
EU15カ国から27カ国、28カ国へ
7 21世紀の地政学
9.11とそのインパクト
グローバルガバナンス
中国がグローバルガバナンスにおいて重要な理由
8 特別講義その1 シリア難民問題におけるトルコ情勢
9 特別講義その2 イスラエル・パレスチナ問題