駅にある無料新聞「Métro」の12月8日付1面に、ベルギー国鉄ダイヤ改正の記事が載っていました。前からポスターなどで宣伝していましたが、Métro紙は週末発刊しないので直前号に記事を持ってきたのでしょう。
インターネット上でも、他の新聞社がダイヤ改正直前の平日ということで記事を掲載しています。
SNCBのウェブサイト情報
まずは、当事者であるSNCBのウェブでどんな紹介のされ方をしているかチェックしました(フランス語のみチェックします。)。
トップページの画像広告から、Offre de trains élargie à partir du 10/12にリンクされ、テキストメインで書かれています。
概要を訳します。
ダイヤ改正にあたり、コミューン(日本の市区町村に相当)、地域、地域の交通会社(注:国鉄のみ連邦政府所管、バス・トラム等の公共交通機関は地域政府所管)、そしてもちろん旅客者協会の要望を伺って実現しました。
SNCBトップページのダイヤ改正案内画像
今回の新ダイヤで、鉄道供給量が5.1%増加します。
主な改正点は、以下の通り
・平日・週末の大都市への電車増発
・運行時間短縮と乗り換え向上
・バス、トラム、地下鉄との接続向上
・一部の駅への停車新設
・日曜夕方に移動する学生のための追加電車
目玉の一番最後は日本ではあまり見られない習慣なので補足説明します。
ベルギーの大学生は、自宅から通えない場合は、平日はkot(学生アパートや寮の部屋)暮らしで、週末洗濯物を持って帰省します。彼らのことをベルギー独自の言い回しで、koteursと言います。Koteurが移動しやすいダイヤ改正というのは日本では前面に出すことはないでしょう。
ブリュッセル首都圏地域内のダイヤ改正
上記の説明分の下にある州別地図をクリックすると、各州別の具体的な路線の説明があります。
ブリュッセル(Bxlと略されます)はと言いますと、
平日
週末
- S5号線 Malines(蘭語Mechelen)とEnghien(Edingen)間の朝夕増発
- S10号線 Bruxelles-Midi(Brussel-Zuid)とAolst(Aalst)間の夕刻2本増発
- S10号線 Bruxelles-Midi(Brussel-Zuid)とTermonde(Dendernomde)間の夕刻2本増発
- S2号線 Braine-le-Compte ('s-Gravenbrakel)とLouvain(Leuven)間の夕刻2本増発
- S3号線 Zottegem (仏蘭同じ)とTermonde(Dendernomde)間の夕刻1本増発
- S7号線 Malines(Mechelen)とHal(Halle)間の夕刻1本増発
土曜日
- ・S5号線 Hal(Halle)とMalines(Mechelen)間で毎時間1本増発
- S1号線 Nivelles(Nijvel)とAnvers(Antwerpen)間で毎時間1本増発
私が使う時間帯の最寄駅は今回のダイヤ改正裨益は無しです。それでも増発で全体的に利用者が増えてくれるといいですね。
ちなみに、今回ベルギー国鉄ウェブサイトにある時刻表コーナーに初めてアクセスしました。時刻表ファイルがたくさんあったので、開く方法を調べました。
最初に、路線図(Carte du réseau)で調べたい路線の番号を確認してから時刻表コーナーにある番号のPDFを開きます。
新聞報道は?
SNCBの発表以外の興味ある点のみピックアップします。
Métro紙の読者の多くが鉄道利用者で、無料新聞なので論調を長々と書く必要がないことから、SNCBの記者発表の事実関係のみをさらっと書いています。
一方のLe Soir紙は、伝統的な新聞社であることから、連邦政府との経営契約の中で実施してるダイヤ改正の一環の中でも最も大きな変更であることがうかがえます。
それから、日本の旧国鉄時代と同様、巨大な赤字体質の国営企業ということも書いてあります。
ちなみに、12月8日のLe Soir紙にはもう一つSNCB関連の記事「La CGSP Cheminots dépose un préavis de grève sur le rail pour le 19 décembre」があります。公共サービスに従事する職員組合CGSPのうち鉄道関係者部門が、連邦政府の年金政策改革案に反対する全国デモが行われる12月19日に組合員が参加するよう促し、ストライキをする旨の通告を出したとのこと。ダイヤ改正とストの可能性という2つの記事が同じ日に出てきましたね。
Métro紙の読者の多くが鉄道利用者で、無料新聞なので論調を長々と書く必要がないことから、SNCBの記者発表の事実関係のみをさらっと書いています。
一方のLe Soir紙は、伝統的な新聞社であることから、連邦政府との経営契約の中で実施してるダイヤ改正の一環の中でも最も大きな変更であることがうかがえます。
それから、日本の旧国鉄時代と同様、巨大な赤字体質の国営企業ということも書いてあります。
ちなみに、12月8日のLe Soir紙にはもう一つSNCB関連の記事「La CGSP Cheminots dépose un préavis de grève sur le rail pour le 19 décembre」があります。公共サービスに従事する職員組合CGSPのうち鉄道関係者部門が、連邦政府の年金政策改革案に反対する全国デモが行われる12月19日に組合員が参加するよう促し、ストライキをする旨の通告を出したとのこと。ダイヤ改正とストの可能性という2つの記事が同じ日に出てきましたね。
12月8日付無料新聞のMétro紙
SNCBの総裁曰く「Très ambitieux、とても野心的な」改正である。
Bruxelles - Namur間5分、Liège - Charleroi間10分、Ath - Mons 間15分の時間短縮がある。
12月8日 Le Soir ウェブサイト
Nouvelle offre de trains : l’ambitieux pari de la SNCB 電車の新供給 SNCBの野心的な賭け
12月第2日曜がヨーロッパの鉄道ダイヤ改正の伝統。
今回は2014年に続く大きなダイヤ改正。
今回390万train/km, +5.2%の増加になるが段階があり、第一段階の+0.8%は実施済み。今回は+3.8%で、2018年と2019年の12月に+0.8%ずつ増加する計画。
増発の70%はブリュッセル、シャルルロワ、リエージュ、アントワープ、ゲントと郊外のネットワーク強化に向けられる。RERの運行を待つ「プレRER」となる。
目的は2018−22年計画にある「2022年までに2.5億人の旅客輸送(今年は2億3550万人見込み)」にある。
政府交付金減の予算制約の中での野心的な賭け。
巨大な赤字(2016年末23億ユーロ)を増やさずに運用結果の向上が求められる。
現在、料金設定の自由化をめぐり連邦政府の交通大臣との経営契約の交渉中。
2回建車両が2018年末に納車開始。
フルタイムで2400人相当の職員減(2014年頭20628人、2017年頭18195人)を経た結果、人員確保のためSNCBは2017年大量採用を実施。現時点で微増だが、来年定年による減員が再び見込まれている。