ハルの森の秋

 
「ハルの森」って、オランダ語圏のフラームス=ブラバント州とフランス語圏のブラバン・ワロン州にまたがる約550ヘクタールの森のことを指します。
一口メモですが、この森の500ヘクタールを超える部分がフラームス=ブラバント州に属し、残りがブラバン・ワロン州となっているのですが、この2州は1995年に分割されました。「ハル」というのはオランダ語圏の自治体の名前からとられています。ウェブサイトを管理しているのがオランダ語圏の組織であるため、この森のウェブサイト(https://www.hallerbos.be/en/)は英語とオランダ語のみです。こんなところでも間接的にオランダ語圏とフランス語圏の確執が垣間見れます。
 
この森は春の景色がとてもきれいなことで知られます。「ハルの森 ベルギー」と検索をかければ、ハルの森の春についての情報が日本語でもたくさん出てきます。
 
今まで秋のハルの森は行ったことがなかったので、家族で散歩に出かけました。
 
森の入口には、オランダ語のみで表示された案内板があります(これも言語対立の感情が感じられます)。第1次大戦の頃は森の伐採がおこなわれたと旦那が言っていました。ハルの森の歴史については、英語でも詳しく書いてありますので、詳しく知りたい方は森のウェブサイトのHistory「From Merovingians and Habsburgs over Dukes to national forest」 をご覧ください。
 
地図には、複数のウォーキングコースが紹介されていたので、一番長い7kmを回ってみました。目印は黄色い棒で、1か所を除き要所要所でわかりやすく、さりげなく案内してくれました。散歩コースとは別に乗馬のコースがあります。
黄色い目印
 
 

紅葉の美しい季節で、どちらかというと黄色い葉が多いです。また、木の根元に苔が生えていて、時折きのこが自生している姿もありました。

 
 
 
針葉樹林もあって、景色がさまざまに変化します。時には道の片方が紅葉、片方が針葉樹というように、2色楽しめるときもありました。


 
 
途中みかんを食べたりして、2時間半ほどで一周できました。
この森はごみ箱やトイレはありませんし、近くにお店やレストランといったものはありません。また、森の決められた道以外に踏み入ることは、(特に春に咲くブルーベルなどの)植生にダメージを与えてしまうので気をつけましょう。