冬のオリンピック:ローテンションで終わりました。(続編)

 「冬のオリンピック。。。ベルギーのテレビ局ではローテンション。」を書いてしばらくしてから、なぜローテンションなのかわかる記事「平昌オリンピックをRTBFが放映しない理由Pourquoi la RTBF ne diffusera pas les JO d'hiver de Pyeongchang?」を見つけました。

 RTBFというのは、ベルギーフランス語圏の公共放送局、ベルギーの約半分の地域のためのNHKのような局です。
内容は以下のようなものでした。

  • RTBFはオリンピックをフォローはするが生中継はしない。
  • 平昌と東京のヨーロッパでのオリンピック放映権は、ユーロスポーツというテレビチャンネルを持つアメリカ企業ディスカバリー社が12億ユーロで獲得した。欧州放送連合(UER)の提示額は8.5億ユーロ。
  • 現在ディスカバリー社と交渉中だが、特に(ベルギー)選手団を見れば、冬季オリンピックの仏語圏での優先度は低い(から放映はしない)。ディスカバリー社から放映権を下取りしなければならないというディスカバリー社との交渉では無理。
  • (オランダ語系のNHKに相当する)VRTは放映する。仏語圏とは戦略が違う。
  • IOCも国内オリンピック委員会も、地域に根付いた放送が必要と認識している。ディスカバリー社はフランス語放送を提示しているが、ベルギーに密着した内容に必ずしもなるわけではない。
  • 東京オリンピックまでの交渉は過酷なものとなることを懸念している。
  • RTBFスポーツ部は現地から競技をフォローし、ウェブサイトを通じて報じている。
  • 映像については、1分1500から2000ユーロのコストがかかる。フランス、ドイツ、スイス、オランダといった隣国の冬季スポーツ大国ではないので経費には敏感になっている。本質的な問題は東京オリンピックだ。
つまり、冬季スポーツも盛んじゃないなかで、オリンピックにお金をかけられないため、冬のオリンピックテレビ中継をあきらめたのでした。閉会式のニュースは映像があったので、数分購入したのでしょう。各競技の放映は全くできませんでした。

こんな記事を読んで、日本でオリンピックがこれほどまで人気があるのかと考えると、日本の放映(権)にかける意気込みはすごいなと思いました。
オリンピックのために旅行をする人、テレビのコマーシャルを見る人、選手が身に着けていたり食べたりしたものを売り込む人、選手の聖地を巡りたくなるファン、オリンピック競技のスポーツを習わせたい親などなど、人々がオリンピックというイベントに群がっている構図が、オリンピック熱のない寒い国で過ごして見えました。

ベルギー仏語圏は、冬のスポーツは選手育成レベルまで進んでいる競技があまり見かけられません。冬でもサッカー、テニス、自転車がメディアのスポーツ欄を飾ります。スキーは修学旅行や休暇でするもので、スキー場はあっても国の最高地点が692mですから、滑れる期間やレベルはオリンピックの比に及びません。

私の家では、朝食時に日本のテレビニュースを動画で見ていたので、日本のフィーバーぶりとベルギー(仏語圏)の関心のなさの両方に接することができました。
冬のオリンピックが程良く寒くて資本力のある国だけのイベントのような気がして、一抹の寂しさを感じた2月でした。

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