ゲントはフランドル地域の自治体です。そこにあるとある学校では、1/3の子供の母語がオランダ語以外なんだそうです。フランドルの最大都市アントワープではもっとこの割合が多いだろうという推測です。
オランダ語の優位を維持するため、校内では子供だけでなく親もオランダ語を話すことを奨励されています。守らないと罰もあるとか。
そんな強制的な言語方針の考えのもとは、オランダ語にどっぷり浸かることが言語学習のベスト策だという考えにあります。
たしかに、日本だって、英語を学ぶには英語漬けとなる環境がいいという考え方は自然に受け入れられているのではないでしょうか。
ただ、この記事は、「学校でオランダ語漬け作戦」に批判的な考えを取り上げています。ゲント大学とフランドル地域の大学が共同で実施した調査結果を引用し、子供の母語の利用をうまく取り入れれば教育現場で使用する言語(この場合オランダ語)に役立つこともあるという視点です。
この流れに近い考えを現在のゲント市は今週発表しました。同じ母語を持つ子供同士でグループになり母語で勉強を助け合ってからオランダ語に直してクラスで成果を発表するというような形でオランダ語以外の言語を教育現場で取り入れるという施策です。出身文化の大切さを感じ、学校でのやる気を想起するし、母語からオランダ語に訳すことで子供がより早く理解するからだそうです。
注意すべきポイントは、ゲント市の議会の過半数を占める政党は、社会党・環境政党、自由党、キリスト教系政党という点です。
そのため、野党となるN-VA党は、「子供達の将来に取り罪となる」政策だと批判しています。
ベルギーといえば、フランドル(オランダ語)地域が分離独立したいという話がありますが、それはN-VA党やVlaams Belang(フラマンの利益党)が主張しています。これら政党は地域政府や連邦政府レベルで力がついてきている政党でもあり、もしゲント市の次期議会選挙でこれら右派政党が議会の過半数を要することになれば、母語がオランダ語ではない子供達はオランダ語オンリーの教育へと変更されるかもしれません。
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