ベルギー地域政府別苗字トップ10
3つの地域政府のトップ10は下表のとおりです。フランドル地域とワロン地域のトップ10に共通する苗字が全くありません。ブリュッセル地域はというと、この地域独自の苗字の中にフランドル地域から2つ、ワロン地域からも2つランクインされています。地域政府別苗字トップ10(2019年1月1日付)出典:ベルギー統計局 |
ブリュッセル地域は、地理的にはフランドル地域の中にすっぽり収まっていますが、ワロン地域にとても近くて、ブリュッセル・フランドル境界線と、フランドル・ワロン境界線の間は2kmほどという地点もあります。また、1831年の建国当初はフランス語系の政治家によるフランス語での政治でしたし、報道によればブリュッセル首都圏地域の92%が2017年の所得税申告郵便物の希望言語はフランス語というくらいフランス語系の人が多いところです。
つまり、フランス語系の苗字が多いということになりますが、まずはフランス語系の苗字の起源や意味を調べてみると、大きく3種類あるのに気付きました。(参考記事:https://www.dhnet.be/actu/societe/l-origine-des-noms-de-famille-en-belgique-51b7c756e4b0de6db98d988a)
1は森さん、さんというような形で日本でもあり得そうな名前ですね。日本だと森下、森中、森田と、立地条件をもっと詳しく苗字に入れていることが多いです。3の聖職者の名前から取った苗字だと、場合によってはMartin Martinさんなんてこともありそうですが、日本で例えれば朝日朝日さんや泉和泉さんとなるよう名付けなので、自然と避けているのかもしれません(少なくとも私は姓名同じ人と巡り合ったことがないです。)
また、フランスの苗字ランキングも調べてみました(ウィキペディアのランクを参照しました。)。Martinさん、Duboisさんが両地域で多いですね。Lejeuneさんがフランスではそれほどランクが高くないので、若く見える人がベルギーにたくさんいたのでしょうか。。。
ブリュッセル地域の上位4つの苗字を持つ有名人にアフリカ大陸出身者が多いことに気付きましたでしょうか。特にアフリカ大陸のセネガルからナイジェリアにかかる地域が多いです。
3位のBarryさんはイギリスとその植民地だった国も含まれています。
5位のNguyenさんはベトナムで一番多い苗字です。
10位はアフリカ大陸でも地中海側のイスラム圏の出身者が多いです。
この結果から、ブリュッセル地域はベルギー以外の地域に祖先をもつ人がベルギー国民として生活しているという仮定が導き出せるかと思います。
この調査で疑問に思ったのは、ここで挙げられたアフリカ大陸の国にコンゴ民主共和国やルワンダ、ブルンジといったかつての植民地出身の有名人の苗字が入ってこなかったことです。
コンゴ民主共和国の苗字統計情報を調べることができませんでしたが、この表に挙げられたアフリカ諸国と地理的に離れているので、同じような苗字がコンゴ民主共和国でも使われているとはあまり思えません(かつて中部アフリカに関する仕事をしていたことがあり、その時によくあった苗字と、上の表の苗字の間に類似性があまり見られません。)
私の経験則が間違っていて多くのコンゴ出身者の苗字がランキングの上位に占めているのか、ベルギーに帰化するコンゴ民主共和国出身者が少ないのか、はたまた別の理由があるのか、私にとって謎が残りますが、ひとり自由研究ということもありこの点は疑問のままにしておきます。
ワロン地域の苗字トップ10
ワロン地域は、フランス語とドイツ語圏ではあるのですが、ドイツ語圏の人口が7万人ほどととても少ないので苗字ランキング上位にドイツ語圏のものが見つかりません。つまり、フランス語系の苗字が多いということになりますが、まずはフランス語系の苗字の起源や意味を調べてみると、大きく3種類あるのに気付きました。(参考記事:https://www.dhnet.be/actu/societe/l-origine-des-noms-de-famille-en-belgique-51b7c756e4b0de6db98d988a)
- ご先祖様が住んでいた立地や、ご先祖様の容姿・性格にちなんだもの。森・橋・山・若い(若く見える人)・巧妙という部分です。
- ゲルマン系の名前から取ったもので、ゲルマン系のスペルとは少し変わる。
- 聖職者の名前から取ったもので、今でも下の名前で使われていることが多い。
1は森さん、さんというような形で日本でもあり得そうな名前ですね。日本だと森下、森中、森田と、立地条件をもっと詳しく苗字に入れていることが多いです。3の聖職者の名前から取った苗字だと、場合によってはMartin Martinさんなんてこともありそうですが、日本で例えれば朝日朝日さんや泉和泉さんとなるよう名付けなので、自然と避けているのかもしれません(少なくとも私は姓名同じ人と巡り合ったことがないです。)
ワロン地域苗字トップ10の意味とフランスでのランキング比較 |
また、フランスの苗字ランキングも調べてみました(ウィキペディアのランクを参照しました。)。Martinさん、Duboisさんが両地域で多いですね。Lejeuneさんがフランスではそれほどランクが高くないので、若く見える人がベルギーにたくさんいたのでしょうか。。。
ブリュッセル首都圏地域のトップ10
ブリュッセルにのみランクインしている6つの苗字、オランダ語・フランス語っぽくないです。フランス語版ウィキペディアから、これら苗字を持つ有名人の国を調べました。ブリュッセル地域独自の苗字とウィキペディア上の有名人の出身国 |
3位のBarryさんはイギリスとその植民地だった国も含まれています。
5位のNguyenさんはベトナムで一番多い苗字です。
10位はアフリカ大陸でも地中海側のイスラム圏の出身者が多いです。
この結果から、ブリュッセル地域はベルギー以外の地域に祖先をもつ人がベルギー国民として生活しているという仮定が導き出せるかと思います。
この調査で疑問に思ったのは、ここで挙げられたアフリカ大陸の国にコンゴ民主共和国やルワンダ、ブルンジといったかつての植民地出身の有名人の苗字が入ってこなかったことです。
コンゴ民主共和国の苗字統計情報を調べることができませんでしたが、この表に挙げられたアフリカ諸国と地理的に離れているので、同じような苗字がコンゴ民主共和国でも使われているとはあまり思えません(かつて中部アフリカに関する仕事をしていたことがあり、その時によくあった苗字と、上の表の苗字の間に類似性があまり見られません。)
私の経験則が間違っていて多くのコンゴ出身者の苗字がランキングの上位に占めているのか、ベルギーに帰化するコンゴ民主共和国出身者が少ないのか、はたまた別の理由があるのか、私にとって謎が残りますが、ひとり自由研究ということもありこの点は疑問のままにしておきます。
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