投票は義務。
ベルギーでは選挙は義務であり、怠ると罰金が科せられます。当日理由がある場合は、証拠となる書類を提出する必要があります。
理由には、病気、仕事、宗教的理由、学業、船舶業、行商人、露天商、外国出張、詩的理由での外国滞在、法的拘束などがあります。
期日前投票なし。代理投票可能。
当日不在の場合で、投票の権利を委任した人に託すことができます。代理投票ができるのは、ベルギーの投票権を有している人で、同じコミューンに住んでいる必要はありません。頼まれてちゃんと手続きをしたら2回投票できる人がいるってことです。
選挙当日は人が歩いてる。
選挙日の朝に車で出かけたのですが、日本のマンションのチラシにあるイメージ図のようにたくさんの人が歩道を歩いていました。車社会のベルギーで、普段歩道を歩いてるのは買い物の人や運転できない中高生が繁華街や停留所にいるのですが、今日は老夫婦や家族連れが白い紙きれを持って歩いていて、逆に若者がいませんでした。
候補者ポスターは掲示板にも貼りますよ
候補者のポスターは、日本の掲示板のように臨時に組み立てた場所に貼ってありました。日本のように届け出順で枠があるのではなく、単なるベニヤ板の大きな掲示板でした。
政党ごとにまとまってポスターを貼ります。公示日にやけになって貼りまくるということはないので、いつが公示日なのか気づきませんでした。
ポスター掲示板ははがれたりしないようにポスターを張った後に金網を付けていました。
旦那曰く、掲示板以外にポスターを貼ってはいけないらしいのですが、床屋や小売店などでは、貼ってと頼まれたのか、色んな政党の候補者のポスターがありました。義父母宅では、かかりつけのお医者さんがが立候補したからと窓にポスターを貼っていました。
自動車や自転車の子供シートにポスターを貼っていたり、家の庭にプチ政党全体の候補者ポスター掲示板を立てていることもありました。
市区町村長選挙はない。
ベルギーは、自治体の長がスキャンダルなどで辞任したり死去しても選挙はしません。コミューン議員の中から選ばれます。つまり、日本で言う市区町村長選挙はありません。また、五月雨式に議員選挙はしません。ベルギー全国のコミューンの選挙は同じ日に行われます。任期中の議会の解散はありません。
大臣と市長兼任できます。
連邦政府の移民担当大臣で、フランドル地域で人気のある政治家Theo Franckenは、今回のコミューンの選挙に立候補しました。彼は国の大臣であるとともに、出身コミューンの市長も兼任していました。シャルル・ミシェル首相は、首相の職務に専念するので今回のコミューン議員選挙に出馬しないと語ったという記事がありました。やる気になれば首相とコミューン議員(そのコミューンの野党のトップならコミューンの市長)を兼務できるのでしょうか。
日本で言ったら、市議会議員選挙に出てトップ当選した政党の党首がその市長になり、同じ人が国政選挙に出て連立野党として当選して大臣にもなるということになります。
ブリュッセルは州議会がないからコミューン選挙だけ。
「ベルギーは10の州があります」と言って終わってしまうと、実はブリュッセル地域という穴ができているんです。ブリュッセル首都圏地域は連邦を構成する政府の一つとしてあるので、今回ブリュッセルではコミューン選挙のみでした。ブリュッセルから出ると2種類の選挙があったことになります。ベルギー人以外も立候補や投票ができる。
コミューン議会選挙では、ベルギー国籍が無くても立候補や投票ができます。立候補については、EU加盟国の国籍を有し、18歳以上、立候補するコミューンをメインの居住地としている人です。そして、市民としてや政治の権利を享受したい人という条件も付いています。
投票については、実は日本人でも条件を満たせば可能です。日本人も対象となるEU圏外の市民の選挙人としての条件について、今年の選挙の場合、
5年以上連続して合法的にベルギーに居住し、
18歳以上、
(ブリュッセル首都圏で投票する場合)2018年8月1日までにブリュッセル首都圏のコミューンに登録していること、
2018年10月14日に選挙権はく奪または一時停止の状態になっていないこと、
2018年7月31日までに選挙人登録をしていること、
というのが条件です。
ただし、選挙人登録をしたら、選挙の義務が課されます。違反すると30から60ユーの罰金が科され、再犯の場合は60から150ユーロに跳ね上がります。
(https://elections2018.brussels/electeur/le-vote/electeurs-citoyens-d%27etats-non-membres-de-l%27union-europ%C3%A9enn)
とにかくベルギーの政治は複雑
投票方法は、政党リストの一番上にある政党名に印をつけるか、好みの候補者に印をつけることになります。日本でも聞いたことがあるかもしれませんが選挙のドント方式って、ベルギーの数学者D'Hondtの名前からきています。この方式をベルギーでも取り入れています。
大学で習ったのですが、ベルギーの政治は複雑にするのが大好きなので、複雑としか覚えていないです。
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