最近、ベルギーの民放であるRTL TVIで毎週日曜19:45から放映されているAppel d'urgenceを観るのが楽しみです。
この番組は、ベルギー仏語圏のフランス国境側に位置するヘノー州(Hainaut)にある警察・救急車の電話オペレーターの日々の仕事を1時間にまとめています。
テレビ局側のナレーションは一切ありません。番組始めと終わりにテロップで「匿名性を保つため、吹き替えや内容の一部変更を行っています」と明記されていますが、オペレータの答える様子は実際のやりとりを使っています。
見ていると、緊急通報をするときに何が大切かが見えてきます。
まず落ち着いて!
電話をかける人自身が落ち着くことがとても大事たと言うのが見てわかります。
コールセンターの人につながって、開口一番「お願い、救急車(警察)すぐ来てよ。お願い!!」とパニックになって叫んでも、コールセンターの人は救急車(警察)を送れません。問題は何なのか、症状(事件)はどうなのか、意識はあるのか否か、住所、氏名を言わなければ、どの消防署(警察)のどの車を送るのか、医師を送る必要があるか否かが分かりません。
コールセンターの人は、電話で情報収集しながら情報入力し、深刻そうな場合は隣の席の同僚が情報収集に基づいて救急車(警察)に派遣指示を出しという連係プレーをしながら、スピーディに現場に向かえるようにしているのがわかります。
コールセンターの人は、電話で情報収集しながら情報入力し、深刻そうな場合は隣の席の同僚が情報収集に基づいて救急車(警察)に派遣指示を出しという連係プレーをしながら、スピーディに現場に向かえるようにしているのがわかります。
「パパが梯子から落ちたの、救急車来てよ、キャー!」と叫ぶ女性に、コールセンターの人はどのくらいの高さから落ちたのか確認しますが、女性はパニックになって答えられません。「木に梯子をかけていたのか、屋根なのか、1階なのか」などと具体例を持ち出しながら状況を探っていきます。
女性はパニックになって「とにかく来てよぉ」としか言わないのですが、「意識はあるの?ないの?」「あなたが落ち着かないと救急車を早く送ることができないんですよ。」となだめながら情報収集を進めていきます。
最初の電話の状況では、女性だけの声で父親が意識不明ぐらいのひどさかと思いましたが、意識はあり父親の声も聞こえていて、体が動けない状態というのがわかりました。
意識がない状態のケースでは、心臓マッサージの方法を伝え、「1,2,3,4,5、、、」とリズムをとりながら、救急車が到着するまでずっと電話をかけてきた人に寄り添っています。
サイレンが電話口に聞こえるまで通話が続いていることがわかります。
サイレンが電話口に聞こえるまで通話が続いていることがわかります。
人を助けるまで話す
また、今回の番組では、コールセンターの人が通話の終わりに涙をぬぐっていたシーンがありました。
電話をかけてきたのは男性。内容は、具体的な薬の名前を言って、その致死量は10錠かという質問を少し暗い口調で、しかし落ち着いてしてきました。電話を受けたコールセンターのマダムは、「そう言われても私にはわかりません。」と答えたところ、「誰も教えてくれないんだ」と電話を切ってしまいました。電話が切れてマダムコールセンターの動作が止まり、少ししてからマダムが電話をかけなおしました。1度目は失敗、2度目にかかりました。
そこからは、マダムコールセンターは親身になって男性を助けようと粘ります。男性は誰も家に来てもらいたくないとなかなか住所や名前を言ってくれません。錠剤を服用たが、10錠には2錠足りない、致死量はと聞く男性です。マダムが通話を手放せば、男性は死にいたるか薬の過剰摂取で苦しむかしかありません。
マダムは、「今日ここに電話をしてきたのは、あなたは何かに困っているからでしょう。私はあなたの相談に乗りたいのです。最近大変だったんですか?」といったように、相談に乗る形をとりました。
男性は、母親から「おまえは死ぬべきなんだ」と言われ、誰にも相談できる人がいなくなってしまい、死を求めているようでした。
マダムは、「あなたの人生は、たとえお母さんがひどいことをあなたに言ったとしても、あなたの人生です。私はあなたの人生を支援したいし、今日あなたのことを支えてあげられるというのは今日の私の人生にとっても大切なことだ」といったような趣旨で、男性に寄り添うために時間を厭わないような態度を示しました。
だんだん男性がコールセンターのマダムに心を開きだし、年齢や住所などを言い出しました。電話の向こうで泣いている様子がうかがえました。
コールセンターのマダムが、自殺しそうな人を見捨てるわけにはいかないという純粋な気持ちで対応し、「じゃ、今日救急をおくるよ」と優しく行って電話を切った後に目頭をぬぐっている姿は印象的でした。
電話をかけてきたのは男性。内容は、具体的な薬の名前を言って、その致死量は10錠かという質問を少し暗い口調で、しかし落ち着いてしてきました。電話を受けたコールセンターのマダムは、「そう言われても私にはわかりません。」と答えたところ、「誰も教えてくれないんだ」と電話を切ってしまいました。電話が切れてマダムコールセンターの動作が止まり、少ししてからマダムが電話をかけなおしました。1度目は失敗、2度目にかかりました。
そこからは、マダムコールセンターは親身になって男性を助けようと粘ります。男性は誰も家に来てもらいたくないとなかなか住所や名前を言ってくれません。錠剤を服用たが、10錠には2錠足りない、致死量はと聞く男性です。マダムが通話を手放せば、男性は死にいたるか薬の過剰摂取で苦しむかしかありません。
マダムは、「今日ここに電話をしてきたのは、あなたは何かに困っているからでしょう。私はあなたの相談に乗りたいのです。最近大変だったんですか?」といったように、相談に乗る形をとりました。
男性は、母親から「おまえは死ぬべきなんだ」と言われ、誰にも相談できる人がいなくなってしまい、死を求めているようでした。
マダムは、「あなたの人生は、たとえお母さんがひどいことをあなたに言ったとしても、あなたの人生です。私はあなたの人生を支援したいし、今日あなたのことを支えてあげられるというのは今日の私の人生にとっても大切なことだ」といったような趣旨で、男性に寄り添うために時間を厭わないような態度を示しました。
だんだん男性がコールセンターのマダムに心を開きだし、年齢や住所などを言い出しました。電話の向こうで泣いている様子がうかがえました。
コールセンターのマダムが、自殺しそうな人を見捨てるわけにはいかないという純粋な気持ちで対応し、「じゃ、今日救急をおくるよ」と優しく行って電話を切った後に目頭をぬぐっている姿は印象的でした。
この番組では、叫び声だけでなく、酔っ払い、いつもかけてくる迷惑さん、救急車や警察が送れないケース(例:すごい虫がいて怖い、犬がいなくなった)、紛失して通報したが見つかったのでお礼するといった、幅広い内容が紹介されています。電話が終わった直後のオペレータのリアクションから、通話ケースの面白さ、大変さも伝わってきます。
内容によっては、自殺相談の電話番号などが途中テロップで挿入されますので、緊急電話をかける時は、どんなことが大切なのかを視聴者にリアルに紹介できる点で優れた番組だと思います。
また、通話してきた人の会話については、フランス語の字幕が出ていますので、フランス語の勉強でも役立つドキュメンタリーになることでしょう。
ベルギーでの緊急電話番号・ウェブサイト・アプリ
100:消防署(救急車・消防車)
101:警察
112:ヨーロッパ共通の救急番号。消防署と警察両方にかかわる事故・事件
例えば、けがのない盗難、事件性のないケガといったように、警察または消防のみという事件・事故の時に112にかけると適切な番号に電話を転送するため時間のろすが生じるそうです。
112については、連邦政府による公式ウェブサイトhttps://www.112.be/en/があり、英語、仏語、蘭語、独語版で情報提供がなされています。
スマートフォン用のアプリ「112BE」があります。My informationというところに個人情報や連絡してほしい人名前と電話番号、母語などを入力しておくと、緊急時にアイコンを選ぶだけで適切な緊急電話につながります。自分が被害者になった場合でも、自分の情報が警察・救急側に伝わりやすくなります。アプリは無料なので、ベルギーに滞在中インストール・情報入力しておいて損はありません。
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