ブリュッセルのとある職場のお話ということです。これがベルギーの典型的な仕事ってわけじゃないのであしからず。
職場環境
今の仕事は、インターネットで情報を収集してデータを入力しています。データ入力の主要拠点としてブリュッセルが位置づけされているので、ベルギー人以外にも、スペイン語系や東欧系の同僚がいます。
職場でのコミュニケーション言語はフランス語が基本です。データの入力方法もフランス語で教えてもらいました。研修中入力する素材は英語でしたが、今まで接したことのない分野の用語が英語・フランス語で行きかうので、最初の頃は入力方法とその分野の語彙を理解する必要がありました。大学時代のマクロ経済の授業がちょっと役立ちましたので、復習しました。
私のいる部屋は4つの机があります。各自のタスクが違うので、データ入力方法がわからないときには別室の研修担当の同僚にのみ質問するようにとのことでした。
なので、同じ部屋の同僚が何をしているのか全く知らず、たまに雑談したり、コーヒーを入れてあげたり入れてもらったりという関係になっています。
職場では、コーヒー、紅茶以外にもペットボトルのお茶や水、牛乳、チョコドリンクなど、ソフトドリンクが飲み放題です。バニラ豆乳もあって飲んでみましたが、おいしいんですがちょっとアレルギーがあって口の中が腫れぼったい感じになりました。
コーヒーカップは夜間に掃除人が来て洗ってくれます。
給与以外の福利厚生
通勤手当は、ブリュッセルのMOBIBという地下鉄・バス・トラム乗り放題の定期代領収書を毎月提出することで支給されます
企業グループ健康保険、企業年金制度加入(給料から引かれます)がありました。救急病院のお世話になるときは、企業グループのカードを提示すればその場で支払わなくてもいいという制度が家族を対象にありました。いざというときの安心が増えました。
ベルギーの民間企業では昔からCheque repasという昼食代相当のクーポン券制度があります。昔は日本の商品券のような紙でしたが、今はEdenredというカードになっています(http://www.myedenred.be)。出勤日あたり8ユーロが翌月にチャージされます。ただし、出勤日あたり1ユーロ強が給料から天引きされていますから、実質7ユーロ弱のクーポンですね。このカードでスーパーの買い物もできます。残額はレシートに印字されたり、インターネット経由で確認できます。給与明細に乗ってこないお金なので、所得税にカウントされない分節税対策になるのかもしれません。
それから、ブリュッセル20kmマラソンに会社のチームとして登録して完走したら、参加料を還付するという制度も最近メールで通知がありました。
休暇制度
ベルギーの休暇制度は他のEU諸国や日本と違っている点があります。
2012年4月から、初めてベルギー民間企業で働く人を対象とした、「追加バカンス(Vacances supplémentaires)」と直訳される休暇制度ができました。この休暇名は、ヨーロッパ休暇(Congés européens)とも言われています。
これは、ベルギーの制度上有休は前年の民間企業での労働日数によって翌年の有休日数が決まるため、公務員から民間企業へ転職した人、直前学生だった人などの最初の年の有休日数が少ないためです。
日本の場合、1~12月で20日の有休のある企業で新卒が4月から入社したら、4~12月相当分となる15日が最初の年から賦与されると思います。
私の場合、2017年12月から働き始め、2017年は19日の労働日がありました。「国立年間休暇局」(フランス語略称ONVA, Office nationale des vacances annuelles)という機関で、暦年で19日の労働日の場合は、翌年1日の法定休暇が与えられるとなっています。
・
私の2018年の有休休暇は計5.5日となりました。2018年は5.5日しか有休がないかというとそうではなく、3か月勤務するごとに追加バカンス制度を申請することで5日有休が追加され、最終的には2年以上働いている人と同じ権利を得られるようです。
また、ボーナスが減る代わりに休暇を取れるとも聞きました。
多様な働き方
4/5や3/5と呼ばれる制度を使っている同僚が結構います。これは、子供が小さい間に選べる働き方で、週4日や3日というものです。
私は週5日、計37.5時間、契約書上の勤務時間は8:30から17:00(昼食時間は12~14時の間に1時間)の契約となっています。水曜日は昼休みを30分減らす代わりに夕方30分早く16:30に切り上げてスーパーと子供の迎えに行けるよう上司にメールで申請してOKをいただきました。
1時間早く切り上げたい日があったときは、朝30分早く来て昼休みを30分減らす申請で済みました。
朝7時台に出勤して15:30に帰る人、16時台から「また明日」と帰りだす人が男女を問わずいます。
学生生活から仕事生活でどう変わった?
仕事をするようになって、家族の中で一番早く家を出るようになりました。大学は電車で一本30分でしたが、仕事は距離的には近いのに乗り換えが必要で40~1時間かかります。電車・地下鉄・メトロの経路が最短とアプリは示すのですが、電車の遅延が頻繁なので、バスとトラムを使うのが多いです。帰りはバス一本で40分程でしょうか。車内で本を読むのにちょうどいいです。
帰宅後や週末はゆったりした気持ちになりました。夫が週に3日帰りが8時ごろになるため、帰宅後子供を会話したり家事をするのが自然な気分になりました。テレビニュースを見たり、なみ縫いで雑巾作ったり、家族でRumicubeというゲームをしたりと、無駄そうだけど自分にとってリラックスできる時間ができました。
週末には、子供にスカートを作ってあげることもできました。学生だったら試験の最中でできなかったのですが、子供の誕生会を兼ねたお泊まり会を家ですることができました。
バスやトラムの中では本を読んで考えをめぐらせたりしています。「君の名は。」の小説版を読むと車内でうるうるしてきます。大学で触れた哲学や心理学のおかげで、「嫌われる勇気」や、ニーチェに関する本を読んで、著者や哲学者はどんな生き方を指南しているのかを教えてもらいました。
仕事で一通りの研修が終わり日本を担当しだして、毎晩のように昔の仕事で失敗した夢を見ました。日本に関係する仕事になって緊張したのかなと思います。フロイトの心理学なら無意識が何か暗示していると教えてくれるのかもしれません。
仕事ではずっとパソコンの前にいるため、家でパソコンをしたいという気分にはなれず、ブログの更新がちょっと滞りがちですが、ネタは引き続き探したいと思っています。
0 件のコメント :
コメントを投稿