3月12日(火)朝7時半過ぎ、最寄りの停留所でトラムかバスが来るのを待っていると、STIB(ブリュッセルの地下鉄・トラム・バス会社のフランス語名。)のトラムの一部がストライキをしているという案内が運行掲示板に流れました。
本来ストライキは、労使間で十分な交渉をしたものの妥結に至らない場合、ストライキ実施事前通告を行なってからするのが一般的で、事前にメディアや交通機関の情報発信ツールを通じて遅くても前夜にはわかるのが普通です。今回は前夜にテレビニュースを見ていましたが、ストライキのことは何もありませんでした。
STIBのウェブサイトでは朝7時からトラムでストライキという情報のみで、理由がわかりませんでした。
通勤中のネット検索では、bx1というブリュッセルのテレビ局のウェブにSuite à une grève spontanée de la Stib, des lignes de tram ne circulent pas ce mardi matin(STIBの突発ストライキにより、本日一部トラム運行せず)という記事がありました。
記事のポイントはこうです。
- STIBの一部職員が勤務停止を始めたと7時少し前にSTIBのTwitterにアップされた
- 金曜日にLemonnier駅(南駅の隣の、地下にあり複数のトラムが運行するプレメトロの駅でもある。)で男性が殺傷事件に巻き込まれた旨、検察が月曜日に発表した。
- この状況は危険だと判断した職員がいたとSTIB広報が発表した。
- 労使間で今回の抗議への解決策を競技中。
- STIBは遅延証明書を発行した。
インターネットでダウンロードした遅延証明書 |
日本の大都市の地下駅とは違い、首都圏内の大きな地下鉄駅でも改札やプラットホームにSTIBの制服を着た職員が常にいるわけではありません。こんな事情を酌んで状況を見る必要があります。
日本でプラットホームで傷害事件があったからと言って、運転手はストライキしないなと思いつつ、これだけじゃまだ詳しくわからないという気分でした。
正午のころには通常に戻っていたようです。その晩のテレビニュースで流れるんだろうなと期待していたら、この件で何も紹介されませんでした。
フランス語圏テレビ(視聴者ターゲット=ベルギー南部&ブリュッセル)を見たので、重要性が低かったのかもしれません。ブリュッセル圏内のテレビニュースを見たら良かったかも。
このプチストライキの顛末について、12日12:10現在のRTBFの記事でみつけました。
Grève à la STIB: accord trouvé avec la direction, la circulation entièrement rétablie(STIBスト:経営側との合意成立。運行完全復旧)
記事概要です。
STIB広報担当の発表
Grève à la STIB: accord trouvé avec la direction, la circulation entièrement rétablie(STIBスト:経営側との合意成立。運行完全復旧)
記事概要です。
STIB広報担当の発表
- STIBの車庫3カ所の職員の一部がLemonnier駅での駅利用者間による暴力事件を理由に仕事放棄を決定した。
- 運転手の一部に運行上の安全への懸念がある。この事件でSTIB職員が一切巻き込まれていない。
- 労使間合意は成立したが、運行復旧は段階的:仕事放棄時間の給与支払いを経営側に要求している。
労使間合意の内容
- STIBが行政と連邦警察に状況改善を申し入れる。
- Lemonnier駅の長時間滞在を回避する目的で同駅のWIFIを撤去するという労働組合側の要望を経営側が承認。
- 仕事放棄時間中の給与支払い要求に関しては、ストライキ事前通告がなかったことと、突発ストライキに関する分野別合意は職員が巻き込まれた事件の場合に適用されることから、この事件では対象外となった。
この一件から、ベルギーの労働者の要求ってすごいなと思いました。喧嘩はプラットホームではしないように気を付けましょう。
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