いまの大学、かつての大学

 私自身、大学生になるのはこれで3回目です。90年代、まだインターネットが大学に浸透しない時に日本で夜学に通ってました。2回目は育児休暇中に通信制大学に登録していたのですが、結局中退しました。
 こんな経歴の私から見た、今の(ベルギーの)大学での発見をいくつかお伝えしましょう。いまの学生なら当たり前のことかもしれませんが、おばさんにとっては新鮮そのものなんです。

1.学生番号はログインに使われる。
  夜学の頃は、学生番号は記入するためにありました。名刺大の出席カードという紙があって、必修の先生でも抜き打ちで出席をとったりするために授業の途中で配ります。いろんな色があるので、その日に先生が配った色に記入しなければなりません。他には試験や学生課での手続きの時に手書き記入しました。
 今の大学は、イントラネットログインのID番号に使われています。試験で学生番号を書いたのは1科目だけ。試験では氏名と在籍学部を書きます。学生番号は桁数が少なめですし、途中で学部を変えても学生番号は変わらないようなので、あまり役立たないのかもしれません。

2.授業と授業の間
 夜学の時は、1日2コマで間に夕食を取れる休憩がありました。通信制のスクーリングはどっぷり数日間浸っています。スケジュールはいずれも比較的単純です。
 全日制は1日9時間授業、朝に1時間だけ、朝11時の次は4時からというように日によって授業の濃淡があります。具体的な時間割は、「大学1年の授業」で紹介しました。

3. テクノロジーその1 パソコン
 教室には白く光るリンゴが咲き乱れます。職場ではずっとマイクロソフトだったのでAppleの勢力のすごさに驚きます。
 大教室では、電源のある列とない列があり、充電したければ授業中に可能です。学生の半分以上はパソコンを開いているんじゃないかな。
 かくゆう私はiPad Proにキーボードをつけて使っています。わからない単語を調べるのが主目的です。日本語とフランス語が授業中頭の中を駆け巡るので、ノートは手書きの方がいいです。

3.テクノロジーその2 録音
 大学に行くにあったて、ICレコーダー必須だよという話を海外留学の先輩から教えてもらってましたので、日本で買って毎日使ってました。ICレコーダーが万一充電切れになってもいいように、iPod Touchも持参してました。語学にハンデのある私にとっては、とても助かりました。
 ベルギー人学生もICレコーダーを持参する人は数人いました。携帯を授業前に先生の机に置く学生もいました。
 ICレコーダーを毎回机に置いてると、たまに録音データが欲しいという見知らぬ学生が寄ってきました。そんな時は相手からメールを受け取ったら、データをストレージに入れておき、そのリンクをメールで伝えてました。

4.テクノロジー その3 レポート提出
 1年生の時に1回だけレポート提出がありました。提出方法は指定されたウェブサイトに添付ファイルで送付することに加え、印刷したものは教務課入り口のレポート入れボックスに投函します。レポートの文字サイズは12ポイント、Times New Roman、行間1.5という指定を習いました。
 教務課で書類受付を正式に記録しつつ、ウェブサイトを経由した論文の不正コピーなどを自動的にチェックし、結果が先生にメールで届くことになってます。
ネットがない時代、レポート提出はもちろん紙で、大学所定の表紙を貼って教務課に出した記憶があります。

6.他人のノートはFacebookで
 大学の1年生のFBページがあって、試験対策(質問、過去問など)、授業ノート(パソコンで作ったもの)、授業や大学の制度の質問などが日々行き交っていました。今は、コピー機の前が試験前に混雑するということはありません。
 私もFBのお世話になって助かった教科がある一方、「50ページの地政学ノート」が出回った時には、他人のノートを読むより、先生の講義の録音を聞いていたほうが確実と判断して手を出しませんでした。ノートが出回っても取捨選択が大切です。
 FBは便利とはいえ、昔からの方法も十分効果的です。社会学については勉強時間をかなり割いたのに赤点になってしまい、とある日に帰りの電車で話し始めた親切な学生と出会いました。彼女と何回か会って授業の内容を噛み砕いてくれました。また、彼女がノートを貸してくれてマーカーの引いた場所や手書きノートのまとめ方を見習いました。手書きは読解に時間がかかるけどこんな風にまとめるんだというのが見えて良かったです。

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